ペットを飼っている皆さんは、ペットのための防災対策していますか?我が家のわんにゃんたちは、マイクロチップを装着しています。避難については、避難所では人間とペットが一緒に過ごすことができないので、ギリギリまで自宅待機しようとは思っています。というか、人間ひとりに対して、大型犬2頭、中型犬1頭、小型犬1頭、大型猫2匹なので、移動が大変というのもあります。
この記事では、アイペット損害保険株式会社が実施した、犬・猫(以下、「ペット」)飼育者の1,041名を対象に、ペットのための防災対策に関するアンケート調査について、その調査結果について、シェアしたいと思います。
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ペットのための防災対策に関する調査の概要
調査対象 | 全国の犬・猫飼育者 |
調査人数 | 男女1,041名 |
調査期間 | 2021年2月10日~2月18日 |
調査方法 | インターネットによるアンケートを実施 |
今年で4回目となる本調査では、昨今、地震や台風、豪雨などの自然災害に加え、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、新しい避難のあり方などについての課題を新たに調査した他、風化させることなく防災への基本的な理解や意識を高め、ペットのための防災対策をさらに考えていく必要性を改めて認識する結果となりました。
調査結果の概要
●ペットのための防災対策をしている飼い主は2割程度、ペット用防災グッズ準備などが増加
●ペットも一緒の避難生活では、「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」が、犬・猫飼育者共通の心配事
●最寄りの避難場所に「ペットを連れて避難できるか知らない」が約8割、避難場所のペットの受入れ体制の課題も
●「同行避難」の認知微増も、実際の避難行動と結びついた意識づけの重要性が増す
●マイクロチップ装着率、来年6月の義務化施行を前に犬・猫ともに昨年より5ポイント増
●コロナ禍での災害時、避難所以外のペットとの避難先候補トップ3は、「在宅避難」「車中避難」「親戚・知人宅」
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詳細な調査結果
ペットのための防災対策をしている飼い主は2割程度、防災グッズ準備などが増加
「災害を想定して、ペットに関する防災対策を何かしているか」を尋ねたところ、何かしらの対策をしている飼い主は21.6%で、犬飼育者の回答では「「待て」や「おすわり」など基本的なしつけができている」、猫飼育者の回答では「普段からクレートやケージに入ることに慣れさせている」がトップとなりました。また、2020年の調査(以下、昨年)と比較すると、犬・猫飼育者ともに「ペット用の防災グッズを揃えている」「在宅避難ができるよう、家具やケージ固定、落下防止などペットのための防災対策によって自宅の環境を整えている」がそれぞれ大幅に増加しました。
備えているペット用防災グッズは、「フード(おやつ含む)・飲料水」が8割以上
「ペットのために現時点で備えている防災グッズ」に関しては、犬・猫飼育者ともに「フード(おやつ含む)・飲料水」が8割を超えました。次に多かったのは、犬飼育者は「リード」、猫飼育者は「トイレ用品(猫砂を含む)」という回答で、昨年と同様の回答となりました。その他、自由回答では、「避難生活ができる車」「保存のきくフードなどの備蓄」などの声もありました。
現状の備えへの追加は、ライフラインや避難を意識した回答が上位を占める
「今後、今の備えに何を追加するか」との問いには、犬・猫飼育者ともに「フードや飲料水」がトップで、犬飼育者では「水のいらないシャンプーやブラシなどのケア用品」「寒さ対策用のブランケットや暑さ対策用の冷却マット」、猫飼育者では「避難先で使うトイレ用品(猫砂、排泄物を処理するためのビニール袋等)「迷子になった時の写真・迷子札」という順で、ライフラインや避難することを意識した回答が上位を占めました。
「最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるか知らない」が約8割、避難場所のペットの受入れ体制の課題も
「自宅から最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるか」を尋ねたところ、「知らない」と回答した方が大半を占め、「知っている」と回答した方は23.7%にとどまりました。なお、「知っている」と回答された方のうち約8割については、「最寄りの避難場所のペットの受入れ体制」について認知しており、「建物の中に一緒に入ることはできない」が半数以上となりました。依然、避難場所のペットの受入れ体制について課題を感じる結果となりました。
避難生活での心配事は「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」で犬・猫飼育者共通
「ペットと一緒に避難生活を送ることを想定した場合、ペットに関する心配事」を尋ねたところ、犬・猫飼育者ともに「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」が上位で、昨年と同じ回答が並びました。その他、自由回答でも、「吠えること」「鳴き声」「迷惑をかけること」など、周囲への配慮に関する心配事などが並んでおり、避難生活における心配事は、犬・猫飼育者共通のようです。
「同行避難」認知は微増も、実際の避難行動と結びついた意識づけの重要性が増す
「災害時ペットは飼い主との「同行避難」が原則とされていることを知っているか」の問いに対しては、昨年より1.8ポイント減となり、8割以上が「知らない」と回答しました。特に猫飼育者では、9割近くが「知らない」と回答しており、室内飼いが推奨される猫の避難については、「在宅避難」という選択肢への意識が高い可能性もうかがえました。
ここ数年自然災害なども多く、避難所でのペットの受け入れについてメディアなどでも取り上げられるなど、「同行避難」というキーワードを耳にする機会も増えてきたことで、言葉としての認知は進んでいるようですが、実際の避難行動と結びついた意識づけが今後さらに重要となってくると考えられます。
22年の義務化施行を前に、「マイクロチップ装着率」犬・猫ともに5ポイント以上増
災害時の迷子対策として有効といわれているマイクロチップの装着有無についても尋ねたところ、装着率は全体で25.4%にとどまりましたが、昨年に比べ、犬・猫ともに5ポイント以上増加しました。続いて、装着理由を尋ねたところ、犬・猫とも「装着されていたペットを迎え入れた」がトップで、昨年に比べ約8ポイント増加しました。現状のコロナ禍においては、旺盛なペット需要のもと、新たにペットを迎え入れた方も増えていると言われています。2022年の義務化施行(既に飼育している方は努力義務)を前に、販売元等での対応が進んでいることもうかがえます。
コロナ禍における「分散避難」の検討、避難所以外では「親戚・知人宅」がトップの約6割
現状のコロナ禍において災害が発生した場合、避難所に多くの人が密集するリスクを回避するため、安全面に十分配慮した上で「分散避難」なども検討する必要があります。そこで、「避難所以外にもペットと一緒に避難できる避難先、ペットの預かり先は確保しているか」を尋ねたところ、確保していると回答した飼育者は、約15%にとどまりました。さらに確保先では、犬・猫ともにトップは「親戚・知人宅」で、続いて犬飼育者は「車中避難」「在宅避難」、猫飼育者は「在宅避難」「車中避難」「かかりつけの動物病院」(「車中避難」「かかりつけの動物病院」は同率)の順となりました。また、自由回答では、「仕事先」「ペット専用の避難場所」「テント」などがあがりました。
避難所以外のペットとの避難先候補トップ3は、「在宅避難」「車中避難」「親戚・知人宅」
「避難所以外で、ペットと一緒に避難できる避難先や、ペットの預かり先について、今後どのような選択肢を検討するか」を尋ねたところ、犬・猫ともに「在宅避難」「車中避難」「親戚・知人宅」がトップ3に並びました。その他、自由回答では、「愛護団体」「保護団体」「犬の訓練所」「別荘への疎開」などの候補も見受けられました。
調査のまとめ
環境省発行の「人とペットの災害対策ガイドライン」(平成30年発行)では、飼い主とペットが原則一緒に避難することが明示されています。
アイペット損害保険株式会社では、2019年10月に青森県と動物愛護に関する連携協定を締結しておりますが、同県との取組みの中で、県内在住のペット飼育者が、災害時にペットと一緒に安全に避難するための避難所情報を共有するためのウェブコンテンツを公開しております。マップ上では、「同伴避難OK」の避難所など、県内にあるすべての避難所を確認することができます。現在、各自治体のホームページなどでも、同様にペットと安全に避難するための情報整備などが進められており、改めて、万が一の時、大切なペットを守れるよう、行政が発信する情報に日ごろから耳を傾けるとともに、有事の際にペットとどのような行動をとるべきかなどを考えておく必要があるといえるでしょう。
また、2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、生活様式は大きく変化しました。昨今の地震や台風、豪雨などの自然災害に加え、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、新しい避難所のあり方も考える必要がでてきています。コロナ禍において災害が発生した場合、避難所に多くの人が密集するリスクを回避するため、地域の人たちと協力し、安全面に十分配慮した上で「分散避難」などが必要となる可能性もあります。そのためにも、「避難所」以外にもペットと一緒に避難できる避難先や、ペットの預かり先を確保しておくことも検討しておくとよいでしょう。
東日本大震災から今年で10年が経とうとしており、改めて、様々な選択肢に備え、日ごろから災害に対する備えを万全にしておくことの重要性が増しています。
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